不動産投資を勉強してワンルームマンション規制を知りました。
投資前に抑えておくべきポイントはなんでしょうか?
都内だと、どこが狙い目ですか?
ワンルームマンション規制の背景について解説しますね。
エリア毎に比較できるように一覧にしてみました。エリア的にどこに注目すべきかも説明します。
こちらはメガバンク勤務の著者が解説!!
こんなお悩みにお答えします
- ワンルームマンションの不動産投資を検討中です。
- 人口が減少する日本でも人口が伸びている東京は安心だと考えました!
- でもワンルームマンションには規制があるようです。
- なぜ規制されるのですか?
- 規制の内容が詳しくありません、教えてください。
- 結局ワンルームマンション投資はあり?なし?
- 1. 結論 規制は追い風である
- 2. ワンルームマンション投資の歴史
- 2.1. 1990年代
- 2.2. 2000年代
- 2.3. 2010年以降
- 2.4. その他の変遷
- 3. ワンルームマンション規制が投資に与える好影響
- 4. ワンルームマンション規制とは
- 4.1. ワンルームマンション規制の開始時期
- 4.2. ワンルーム規制の目的
- 5. 都心エリアの特徴
- 5.1. 1極:千代田区、中央区、港区
- 5.2. 2極:新宿区、渋谷区、品川区、目黒区、豊島区、文京区、台東区、荒川区、墨田区、江東区
- 5.3. 3極:世田谷区、杉並区、中野区、大田区、練馬区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区
- 5.4. 人口動態で比較
- 6. 23区のワンルーム条例一覧を確認
- 7. ワンルームマンション投資を考える
- 7.1. ワンルームマンション投資のメリット
- 7.2. 不動産投資のポイント
- 8. 考察
- 9. まとめ
結論 規制は追い風である
ワンルームマンション規制は不動産投資に追い風です
人口が減る日本において、政治・経済の中心である東京に単身世帯が集中、物件選びは都心部一択ですね!!
東京都心ワンルームマンションを選ぶ理由
- 日本の人口は今後間違いなく減ります
- 一方、少子高齢化、晩婚化などから単身世帯は一定数堅調に推移する見込み
- 日本の政治・経済の中心地は東京です、働き手はアクセスのいい東京に集中
- 税収面などの課題から新築ワンルームマンションに自治体は規制をかけた。結果、逆にワンルームマンションの希少性は上がった
- 時代背景からも過去は低品質な仕様のワンルームマンションが乱立し、逆に築浅の物件は格段に仕様が上がった
- 築古の物件は水回りでも旧態依然の仕様でローン審査も厳しい
ワンルームマンション投資の歴史
1990年代
日本はバブル期、不動産価格はとにかく右肩上がりでした。
したがって居住空間の快適性は二の次で、とにかく売り切る、家賃収入よりもキャピタルゲイン重視でした。
当時の一般的なワンルームマンションは約 15㎡、3点式ユニットバスが中心。入居者の住み心地よりも、いずれ売却して利益を得ることが優先されました。
2000年代
バブル崩壊を経験。物件を売り切って利益を得るという考え方は変わりました。いかに空室を減らし家賃収入を得るかという考えが重視されるようになります。
その結果、広さは20㎡以上が主流になり、住みやすさも見直されました。
2010年以降
さらに2000年代後半からワンルームマンション規制が開始。25㎡以上の物件が中心となります。
その他の変遷
実は部屋の広さ以外に、もう一つ大きく変化してきたポイントがあります!
それは
水回りです!
お部屋探しの時に風呂・トイレ別は、もちろんチェックするポイントですよね。
この水回りが変化してきたんです。
まずユニットバス。これは洗面台とバス、トイレがひとつの空間に納められた3点ユニット言われるもので、施工に手間がかからないことから、1964年の東京五輪をきっかけとした建設ラッシュを背景に広く普及しました。
その後、2000年代は風呂とトイレは別という考え方が徐々に広がりました。また同じ時期にワンルーム規制の問題から部屋の面積が広くなりました。
結果、風呂・トイレ・洗面所が独立した仕様が一般化しました。面積が広くなると独立洗面台や洗濯機置き場にも面積が割けるようになったんですね。
これからは・・・
ニーズの多様化
例えばオートロックなどのセキュリティ、ペット対応、インターネット環境。さらに、最近だとスマートホーム化も注目されます。
お客様から聞いた話です
今のところスマートホーム化は、お部屋選びの決定打になることは少なく、それだけをもって家賃単価を上げられることにも繋がりにくいようです。ただ、そこまで普及していないスマートホームですが、入居者の声は高評価なんだとか!スマートホームに一度住むと、なんと他の物件には住めないという声が多いようなんですよ。要は、その便利さが認知されていないだけ。時間が経過すると、これも大きな差別化になりそうですね。
ワンルームマンション規制が投資に与える好影響
ワンルームマンション規制と単身世帯の東京都心部への賃貸ニーズの需給バランスから、結果、希少性が上がりました!!
これから日本の人口は減っていきます。
ただ、東京都心部かつ単身世帯の賃貸ニーズは堅調だと想定されます。都心部を選ぶ単身世帯の所得水準はそれなりでしょう。住めればいいだけなら、わざわざ家賃が高いエリアに住まないですよね。
(こういった背景もあり)都内23区ではワンルームマンション規制がされているわけですが。ワンルームマンションの建築は規制によって抑制され、結果、参入障壁が高くなり希少性があがりました。
これまでの物件仕様の変遷から、市場に供給されたマンションは二極化しています。バブル期の手狭な物件とワンルーム規制後の物件。当たり前ですが、家賃設定は大きく乖離するでしょう。
知ってましたか?
水回りの仕様はローン審査にも影響があるんですよ。3点ユニット自体、ニーズが極めて低いわけです。つまり、空室リスクを個別に加味するということでしょうね。もちろん、住めればいい、とにかく安い物件がいいというニーズがあることも事実ですが。
ワンルームマンション規制とは
なぜワンルームマンションに規制が入ったのか?その目的と背景について説明します。
結論
単身世帯が既に全体の50%を超え、行政側では住民票を移さずに居住する人もいて、税収面や事務コスト等が主な理由です。
ワンルームマンション規制の開始時期
ワンルームマンションの新築規制は2003〜2010年頃に始まっており、今では東京都内23区内の全てのエリアで条例(指導要綱)が施行されています。結果、新築ワンルームの供給戸数は減少しています。
他方、単身世帯は相対的に割合が多く、政治や経済の中心である都心部には引き続き人口が集まっており、ワンルームマンションに対するニーズは堅調です。
ワンルーム規制の目的
都心部、東京都内23区では、ワンルームマンションを新たに建築する際に規制があります。
主な内容として、「一戸あたりの最低専有面積」や「総戸数に占める専有面積が一定以上の物件割合」、「ワンルームマンションの建築主に対して、一定の税金を課税」などが挙げられます。
なぜ規制しているのか?
目的は、単身世帯の増加を抑制することです。単身世帯が集まりすぎると、行政の立場では色々と弊害があるわけです。
例えば、行政手続きの件数増加による事務コスト増や、住民票を移さずに居住しているケースも散見され税収面でも課題があります。
背景は単身者が自然増加するから!!
少子高齢化の日本ですが、これから人口は間違いなく減っていきます。
しかし、人口減少が見込まれないエリアも、もちろんあります。それは政治経済が一極集中する東京です!!
晩婚化であったり、そもそも結婚しない単身世帯は増加しています。加えて、大学なども都心回帰の動きがありそれに伴って学生が増加したり、外資企業の進出や経済の中心として外国人就労者も東京に集まってきます。
下表は2020年の国勢調査に基づく一般世帯の家族類型構成になります。
単身世帯の割合は50%を超えています!
さらに、東京都の世帯数の予測です。
この予測は、平成27年(2015年)10月1日現在の国勢調査結果をもとに、2020年以降、5年毎に2040年までの東京都の世帯数を予測したものです。
2015年時点の予測では、2020年に単身世帯が50%超えと予想されましたが、それよりも早く50%を超えていたんですね。
人口動態予測の都道府県別ランキングが動画で紹介されていました。
2位の神奈川でも▲10%、東京でも▲3%でしたね。
日本においては、人口が増えるエリアではなく、いかに減らないエリアを探すかの方が難しいということですね!
都心エリアの特徴
昔は都心か郊外の2極化だったのですが、今では立地に応じて5極化していると言われています。
- 1極:千代田区、中央区、港区
- 2極:新宿区、渋谷区、品川区、目黒区、豊島区、文京区、台東区、荒川区、墨田区、江東区
- 3極:世田谷区、杉並区、中野区、大田区、練馬区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区
- 4極:23区〜国道16号線周辺のエリア 八王子、千葉、柏、大宮、春日部、横浜
- 5極:国道16号線の外側のエリア
1極:千代田区、中央区、港区
これら3区は "都心3区" と呼ばれ、まさに日本の政治・経済の中心地です。
国会、行政府、省庁、日銀をはじめ、大企業や金融機関の本社もこのエリアに集中しています。大使館や、外資系企業の日本本社も数多くあり、外国人就労者も多いです。
このエリアの強みは圧倒的な ”立地条件” でしょう。都心3区内であれば、どこに住んでいても徒歩圏内に鉄道や公共交通機関があり移動手段には困りません。通勤の利便性は群を抜いて高い。人口動態をみても、人口は減らないエリアですし、アクセス、立地の良さから、必然的に「資産価値が下がりにくい」ことは間違いありません。
2極:新宿区、渋谷区、品川区、目黒区、豊島区、文京区、台東区、荒川区、墨田区、江東区
次に2極のエリアですが、都心3区に隣接するエリアで、特徴は利便性と住みやすさが兼ね備えられているところです。
このエリアはほぼ山手線沿線です。
都心へのアクセスは30分圏内ですので、通勤に便利。
次に住みやすさに関してです。
都心3区は、どうしてもオフィス街、商業エリアになります。
その点、このエリアになると住宅の割合が増えるので、都心3区にはない住みやすさが感じられるでしょう。
3極:世田谷区、杉並区、中野区、大田区、練馬区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区
3極のエリアですが、先ほど2極のエリアが山手線沿線でしたので、その外周エリアになります。
このエリアも都心へのアクセスは決して悪いわけではありません。
ただ、先ほどのエリアと比べた場合に多少時間はかかるという程度です。またそれに伴い家賃相場も少し下がります。
人口動態で比較
都内23区のエリアに関して、1〜3極と言われるエリアを確認しました。
最後に人口動態を確認します。
下表の通り、1極に該当するエリアは群を抜いて人口が増加する見通しです。
次いで2極のエリアが3極のエリアに比べて、相対的に人口は堅調推移する見通しと言えるでしょう。
出所:日本の地域別将来推計人口(2018年12月25日)国立社会保障・人口問題研究所
23区のワンルーム条例一覧を確認
規制には大きく二つ、条例によるものと指導要綱によるものとに分かれます。
大宗の自治体では条例による規制をかけています。違いは以下の通りです。
条例による規制
必ず守らなければいけないルールです。建築基準法に沿って建築制限をかけていますので、建築基準法と同じ。
指導要綱による規制
条例と違って拘束力はありません、あくまで指導です。しかし、守らなければ建築許可がおりないこともあるようですので実態は大きく変わらないと思います。
主な規制内容は1戸あたりの最低専有面積、総戸数に占める専有面積が一定以上の物件割合、そのほかに建築主への税金などが挙げられます。
基本的な内容
- 最低専有面積は25㎡以上
- 3階以上で戸数が10戸以上
対象地域毎の規制内容をお示しします。豊島区税制度調査検討会議 平成30年7月24日から、23区内の規制一覧を加工しました。一覧で見比べてみると、各自治体での規制の違いがわかります。
建築する側からすると規制内容以外にも条例の複雑さなどから取り組みしやすい自治体とそうでない自治体とで、かなり差があるようです。
インターネット調べですが、建築側から見たコメントを調べて、コメントされていた箇所を表中、青(ポジティブ)と赤(ネガティブ)でハイライトしました。
ワンルームマンション投資を考える
資産形成には株式など金融商品を運用する場合もあれば、不動産のような現物資産に投資する場合もあります。
これまで、都心部のワンルームマンション規制をみてきました。
これらを踏まえ、都心部のワンルームマンション投資について、考えてみたいと思います。
ワンルームマンション投資のメリット
メリット
- レバレッジ お金を借りて投資ができる唯一の選択肢
- 手軽さ 少ない資金から始められる
- 管理の手間が少ない+修繕費用を抑えられる
- 景気の影響を受けにくい、収入が比較的安定している
ワンルームマンションは、ファミリータイプと比べて投資額を低く抑えることができます。
すなわち、少ない自己資金で運用をスタートさせることが可能です。
また意外に着目されていない点ですが、
資産運用で唯一、お金を借りて投資が出来る!!
これはめちゃくちゃ強み!!
かつ、サラリーマンは資金調達しやすい立場にあります。
銀行の審査はもちろん収入や資産背景に加えて勤務先も確認します。
フリーランスや経営者の方は意外と審査は厳しめの結果になることが多いです。
要は安定していないということですね。
もう一つ強調したいポイント!
それは、不動産は景気の影響を受けにくい!!
東京カンテイのレポートによれば、東京都における分譲マンション賃料の平米単価は以下の推移でした。
2017年12月時点で3,292円
2022年12月時点で3,779円
約15%の伸び(年約3%)になります。
株式と違って値動きは緩やか、かつ賃料相場は安定しており強みと言えます。
不動産投資のポイント
ポイント
不動産投資の最重要ポイントは立地だと確信しています!!
人気のあるエリアかつ好立地なら、賃貸需要はもちろん高く、資産価値が大きく目減りするリスクを抑えられそうです。
立地条件というと、都心部までのアクセス、住環境、将来性が挙げられます。
これまでの通り、ワンルームマンション規制が施行された東京23区。またその中でも1極、2極エリアは、かなりの好材料が揃っていると言えそうです。
考察
繰り返しですが単身者は増加傾向です。アクセスの良さを重視し都心のエリアを選択します。特に都心部のワンルームマンションへの賃貸需要は堅調とみて間違いないでしょう。
(こういった背景もあり)都内23区ではワンルームマンション規制がされているわけですが。
ワンルームマンションの建築は規制によって抑制された結果、希少性があがりました。
私は東京中野の社宅住まいですが、今後社宅が廃止されるんです。周辺の賃貸物件を見ると中途半端なファミリータイプしかなかったんですよ。
まさにワンルーム規制の影響だったんですね!!ワンルームを建てたいがファミリー附属で中途半端なファミリータイプしかなかったんです。
また、単純に物件の広さだけではなく、部屋の仕様、特に水回りや付加価値も大きく変化し、進化しています。
つまり!
マンションは大きく二極化している
つまり!!
都心部で賃貸需要が高い!!かもしれないが、物件選びを間違えると旺盛な需要も取り込めないとうわけです。
まとめると、物件の竣工時期から特性を理解し、どの賃貸需要を狙うかしっかり考えた物件選びをすべきです。
私は築古ではなく、
築浅物件を推したいです。
なぜなら広さや水回り以外の新たな価値が出始めており入居者のニーズを満たせるか?その付加価値こそ、将来の物件価値にも比例すると考えるからです。
さらに規制で希少性という観点でも、きっと資産価値が目減りする可能性は低いと考えました。
余談です
私の会社は本社が丸の内にあります。本社勤務の方とお話した際、住まいは人形町と超都心部にお住まいでした。丸の内から数駅のところです。彼いわく、単身だから2〜3万円の差で都心部に住むことも可能。単身だし、車もないので通勤の利便性重視で都心部を選んだといっていました。単身者であれば、経済的負担もそこまで大きくないということですね(会社からの家賃補助も多少はあるでしょうし)。たしかにファミリーで東京駅から数駅圏内には住めないでしょう。
まとめ
今回は、ワンルームマンション規制について説明しました。
規制の背景や物件の仕様の変遷を知ることで、今後のマンション投資の判断に役立つ情報が盛り沢山でしたね。
人口が減少する日本でも、東京は別格!とは言え都内全てのエリアで人口が底堅く推移するとは限りませんし、入居者のニーズを満たすことも重要でしょう。
またエリア毎の規制内容によって、参入障壁の高さや希少価値も変わります。
長い目でみて結局のところ、ワンルームマンション投資はありか?なしか?
結論はエリアと物件を選んで、投資は間違いなくあり。
東京都心部一択です!!
この記事を書いた人
-
・現役銀行員
・メガバンク勤務 法人営業15年
・AFP、ファイナンシャルプランナー2級
・投資経験
不動産投資/投資信託/NISA(積立、ジュニア)/iDeCo/
・確定申告、ふるさと納税も毎年やってます
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