レバナスで最速FIREする!

レバナスで億り人確定!

 『レバナス民』という言葉まで生まれて、大人気のレバナス投資。

 資産形成をしていて、資産運用の情報などを見ていると、「FIRE」という言葉をよく目にしませんか?

 実際にFIREしている人の実体験もブログやTwitter、YouTubeなどを通してよく入ってきますね。

 羨ましいなと思ったり、人生の一つの目標として、「FIRE」を掲げている人も多いのではないでしょうか。

 自分もFIREしよう!と考えたとき、今から30~35年後よりももっともっと早く、20年後、更に10年後にFIREしたい!!と思い始めますよね。

できるだけ早く経済的自由になりたい!!!

 早く資産を増やす方法は何かないものか…と探しているとでてきます…

 !!!『全力レバナス投資で爆速でFIRE到達』!!!

 という方法が。

  あ!

 これは一般のサラリーマン・OLでも出来るFIREへの近道だと目を輝かせた人へ

『やめてください!』

 FIREを達成する手段として、レバナス投資を行うことを私が全力で否定する理由を解説します。

FIREとは…

 FIREとは、「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」の頭文字をとったものです。

 資産運用により老後前の早い段階で経済的に自立して、会社員を退職し、労働から解放されて、不労所得で生活していく。

 1年間の支出の25倍の資産を準備して、資産運用額から年4%を生活資金として使っていく手法が一般的です。

 会社に縛られず、自由に生きていく!

 魅力的な生活スタイルですよね♪

レバナスとは

 レバナスとは、NASDAQ100指数に対してレバレッジを掛けた商品です。

NASDAQ100

 NASDAQ100は主に米国NASDAQ市場の時価総額上位100社の株式で構成されています。情報技術・通信サービス、ITテクノロジー系の業種が中心で約70%を占めています。

 そのうち、アップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラ、エヌビディア、アルファベットなど、上位10社で全体の約50%を占めていることも特徴です。

レバレッジ

 レバレッジ(Leverage)とは、「てこの原理」という意味ですが、金融業界では、少しの自己資本を担保に他人の資本で、自己資金以上の大きな金額で取引することを意味します。

 株式でレバレッジ取引をするということは、現金や株式を担保に証券会社からお金を借りて取引をすることになります。レバレッジを掛けて取引をすれば、少ない自己資金でも大きな利益を上げられます。

  10%値上がりした株に投資した場合:

  •   1万円購入→1,000円の利益
  •   100万円購入→10万円の利益

 見ての通り、株式投資は資金が多ければ多いほど利益が上がります。レバレッジは自己資金が少なくても、高額の資金で株取引が出来る手法です。

 ただ、2倍のレバレッジを掛けた場合、

 株価が上がれば2倍利益を上げられますが、

 下がれば損益も2倍になります

 のでリスクを理解した上で取引をする必要があります。

話題の「レバナス」とは、

  • 大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ NASDAQ100」
  • 楽天証券の「楽天レバレッジNASDAQ-100」

 のどちらかのことを指します。

 どちらとも、日々の基準価額の値動きがNASDAQ-100指数(米ドルベース)の値動きに対して、2倍程度となることを目指した投資信託です。

なぜ、レバナス投資が最速でFIRE到達できるといわれているのか?

パフォーマンスが良く、高いリターンが期待できる

-iFreeレバレッジ NASDAQ100

-NASDAQ

-S&P500

の株価の推移を表したグラフです。

iFreeレバレッジ NASDAQ100設定日(2018年10月19日)から2023年2月1日までのグラフ

引用:Yahoo!ファイナンス https://finance.yahoo.co.jp/

 グラフを見ると、iFreeレバレッジ NASDAQ100が断トツでパフォーマンスが良いですね。

コロナ暴落時(2020.3.24)ピーク時(2021.12.29)上昇率
iFreeレバレッジ NASDAQ1008,56642,473 4.96倍
NASDAQ7,417.85715,766.216 2.13倍
S&P5002,447.334,793.06 1.96倍

 コロナ暴落時から2021年12月までの上昇のパフォーマンスを比較するとレバナスが圧倒的に優れています。

 1年9か月で約5倍です。1000万円買っていたら5000万円、2000万円購入で約1億円です。

 FIREが身近に感じられますね。

今後も成長するセクターだから

 NASDAQ市場はIT業界などが多く、今後も成長性が高い企業が多く上場しています。

 これから先、成長する企業だから株価も上がる。

 つまり、長期でみたら絶対上がるに決まっている!という理由からです。

それでも、レバナス投資でFIREをすすめない理由

 確かにレバナスは上昇時のパフォーマンスが良いです。夢がありますし、短期間でFIRE達成できそうですよね。

 それでも私は、おすすめしませんその理由をお伝えします。

レバレッジ商品には逓減と減価があり、長期投資に向かないから

 レバナスの投資信託の説明に、

日々の基準価額の値動きがNASDAQ-100指数(米ドルベース)の値動きに対して、2倍程度となることを目指した投資信託です。』

 とあります。

「日々」です。

 そもそも、レバレッジを掛けた金融商品は短期売買を目的として作られたものです。

 「日々」、つまり、一日の変動率の2倍になるようになっています。前営業日と比較すると2倍になりますが、

 2営業日以上離れた日と比較すると、複利効果によって、変動率の2倍超又は未満となります。

 株価上昇局面の複利効果は、元本に利益をプラスした額に対して一日の変動率の2倍を掛けます。

 しかし、下落局面では複利が逆に作用し、元本から損益をマイナスした額に対して、一日の変動率の2倍を掛けます。

 以下のグラフは対象指標が上下を繰り返す横ばい局面での、値動きの例です。

出典:逓減とか減価って何? / 大和アセットマネジメント株式会社 (daiwa-am.co.jp)

 グラフのように、上昇・下落を相互に繰り返し、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなります。

 これにより、元指標であるNASDAQ100が下落した後、上昇して、元の値にもどったとしても、レバナスは、元の値に戻っていないという現象がおきます。

 下落局面が長引き、乖離が大きくなってしまうと、市場全体が上昇相場になったとき、

 NASDAQ100では利益がでている状態にもかかわらず、レバナスでは損益のまま

 という状態になるということです。

 下落することなく、右肩上がりに上昇し続ける相場であれば、レバナスを買うことは資産拡大にとても有効です。

 しかし、下落相場でレバナスを持つことは、資金を必要以上に減らしてしまうため、資金効率が悪くなり、長期投資に向きません。

FIRE後の切り崩しが難しい

  FIREの一般的な考えは、1年間の支出の25倍の資産を準備して、資産運用額から年4%を生活資金として使っていくことです。

 これは、一般的なインデックス投資でFIREしていく場合であり、レバナス投資では通用しません。 

 レバナス投資で築いた資産を切り崩して、生活資金に充てて生活していく方法は、かなり難易度が高いです。

 まず、一般的なFIREと比較した場合、資金を切り崩せるパーセンテージは4%よりも低くなる場合が多く、一般的なFIREより多くの資金を準備しなければなりません。

 レバナスはボラティリティが高いため、資金を削るスピードが重要になります。これを間違えると資金が枯渇して、即FIRE終了することになります。

 また、切り崩しのタイミングも重要になります。

 レバナスの下落相場で資金を一度切り崩しすぎてしまうと、どんどん資金が減っていきます。 

 レバナスに配当金はありません。

 長期で保有すると必ず、下落相場はきます。下落相場で切り崩さないようにした場合、下落相場が長引けば、手元の生活資金が枯渇して、FIRE終了することになります。

 このように、レバナス投資は、

  1.  資金切り崩しの割合
  2.  資金を切り崩すタイミング

 が、かなり重要になり、難しいと思います。

 経済的自由になりたくて、FIREしたはずなのに…

  • いつも相場を見て、お金の心配をして生活しますか?
  • これが本当にFIREしたと言えるのでしょうか?

NASDAQ市場低迷の可能性

 世界を牽引する米国のハイテク企業が多く上場しているのがNASDAQ市場です。注目度の高い企業も多い新興市場であり、値動きが激しいです。

 2020年、米国のFRBは、新型コロナウィルスによる経済への影響を軽減するため、金利をほぼ0%にし、米国債などを大量に購入する量的緩和政策を行いました。

 新興企業は資金調達しやすくなり、市場にはお金が溢れ、その多くのお金がNASDAQ市場へ流れた結果、NASDAQ爆上げが起こりました。

 この爆上げするNASDAQにレバレッジを掛けて投資して、高値で売り抜けた人が、富を得たことは確かです。

 コロナ危機から約1年9か月後、市場に資金が出すぎたことなど様々な要因が重なり、米国に深刻なインフレが起きました。インフレを止めるため、FRBは金融引き締めと量的引き締め(QT)を行いました。その結果、NASDAQに流れていた資金が流出し、NASDAQ市場は暴落しました。

 NASDAQ市場がコロナの時ように急激に上がったのは、FRBの金融政策が主な理由です。

 この時期ようにNASDAQの株価がまた同じように上昇するとは思わないでください。

 今後も米国IT企業が世界を牽引してくでしょうし、テクノロジーは進化するでしょう。

 でもそれと、NASDAQの株価が上昇するというのはまた別の話です。

 IT企業が伸びるからという理由だけでNASDAQに全力で投資をすることを私はおすすめしません。

 株価が上昇する要因は複雑です。金利もかなり影響します。

 テクノロジーが進化していてIT産業が活発でも、NASDAQ市場に資金が入り続けるかは分かりません。高金利のままで資金が流れてこず、低迷する可能性もあります。

 NASDAQの上昇を信じて、全力投資することは、ハイリスクのため長期投資には向きません。

まとめ

  • FIREとは何か?
  • レバナスとは何か?
  • なぜ、レバナス投資が最速でFIRE到達できるといわれているのか?
    • パフォーマンスが良く、高いリターンが期待できるから
    • 今後も成長するセクターだから
  • それでも、レバナス投資でFIREをすすめない理由
    • レバレッジ商品には逓減と減価があり、長期投資に向かないから
    • FIRE後の切り崩しが難しいから
    • NASDAQ市場低迷の可能性があるから

 これが私がレバナスでFIREを夢見る人を本気で止める理由です。

 上昇したグラフやシュミレーションなどを見ると、レバナスに投資すれば一気に資産が増えそうだと感じると思いますが、よくレバレッジを掛けた商品について調べて理解してください。

 資金効率の悪いハイリスクな商品に資金を入れると、資金が増えるどころか、減ります。大きく減ってしまった資金から、増やしていくことはFIREへの遠回りになります。

 自己資金以上に投資をしたいのであれば、不動産投資が最適です。金融機関から低金利で融資を得れば、健全なレバレッジを掛けた状態で投資をして、資産拡大を狙えます。

 ぜひ不動産投資も検討してみてください。

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