武蔵小杉でタワーマンションが浸水した本当の理由
サラリーマン男性

以前、タワマンが浸水するニュースがあったよね?

不動産営業マン

2019年10月に発生した台風19号ですね。

住みたい街ランキングでも、人気急上昇中だった武蔵小杉のタワマンが浸水したのは、衝撃的だったので、メディアでめちゃくちゃ取り上げられたんです。

サラリーマン男性

なるほど~。たしかにタワマンが浸水なんて、聞いたことないもんね。

それにしても、タワマンって、意外と水害には弱いんだね。ちなみに、武蔵小杉のなんてタワマンなの?

不動産営業マン

パークシティ武蔵小杉 ステーションと、シティハウス武蔵小杉です。

台風による被害で、最悪な状況に。

✓停電

✓エレベーターが使えない

✓トイレも使えない

今回は、武蔵小杉のタワマン浸水の悲劇から、今後のとるべき対策をまとめました。

この記事でわかることは、下記のとおりです。

✓武蔵小杉のタワマンが浸水した理由

✓タワマンの水害時の問題点

✓武蔵小杉にタワマンが乱立する理由

✓マンション購入の前にしておくべきこと

利便性がよく、高級感があり、資産価値の高いタワマン。

ただ、実は水害にはモロかったんです。

言い方は悪いですが、売り手側は、極論、売れれば問題ないわけです。

だからこそ、買い手側である僕たちには、知識が必要

この記事を最後まで読んでいただければ、致命的な失敗は避けられます。

あなたの参考になればうれしいです!

武蔵小杉とはどんな街?

武蔵小杉駅前のタワーマンション

武蔵小杉の魅力は、便利なアクセス。

東京の主要駅まで、だいたい30分以内。

近年は、特に人気急上昇中でした。

✓人口増加が著しい

✓商業施設が次々と建てられている

武蔵小杉のタワマンが浸水した理由

街が浸水している光景

武蔵小杉の近くには、多摩川という大きな川が流れています。

ただ、多摩川の水があふれ出たわけではないんですね。

実際には、街中にたまった雨水を、多摩川に流すための排水管から逆流したんです。

具体的にはこんな感じ。

多摩川の川崎市側・武蔵小杉駅周辺が冠水したイメージ
出典:東京新聞 「排水管逆流させたバックウォーター現象とは 堤防は決壊してないのに街が水浸し」https://www.tokyo-np.co.jp/article/19115

見てわかるように、台風で増水した水は、堤防を超えてません。

サラリーマン男性

これって、何か対策はされてなかったの?

いえ。排水管にはゲートが設置されています。

川崎市の排水管ゲート操作
出典:川崎市内水ハザードマップ <6F75745F90EC8DE8836E8355815B8368837D836283765F92868CB48BE62E6169> (city.kawasaki.jp)

つまり、多摩川の水位が上がると、ゲートを閉めれば、逆流を防げる仕組み。

ただ、結果的にゲートは閉められなかったんです。

逆流した水には生活排水も混ざっていた!

水洗トイレを流す

最悪だったのは、逆流した水には、生活排水も混ざっていたんです。

下水を処理場まで流す方法として、下記の2つがあります。

✓分流式

✓合流式

このエリアは、合流式雨水と生活排水をいっしょに流すんですね。

たとえ、薄まっていたとはいえ、想像だけでもヤバくないですか?

タワマンの住人が受けた被害とは

タワーマンションの停電のイラスト

タワマンは縦に長いので、直接的な被害はありませんでしたが、

電気設備が浸水したので、停電がおきたわけです。

タワマンの停電は、高層階になるほどめちゃくちゃ深刻。

サラリーマン男性

ちなみに、電気設備はどこにあったの?

実は、地下3階だったんです。当然、浸水するわけです。

タワマンの水害時の問題点

劇的な雷雲と街の景色
サラリーマン男性

電気設備は何で地下に設置してるの?水害の時に危ないから、もっと高いところに設置したらいいんじゃないの?

結論、売り手側は、地上に電気設備を置くよりも、部屋にしたほうが儲かるから。

場所をとる電気設備は、一般的に地下が多いんです。

サラリーマン男性

それなら、水害リスクの少ない、高台の上にマンションを建てればいいんじゃないの?

実は、高台どころか、ハザードマップを見ると、武蔵小杉エリアは全体的に水はけが悪いんです。

武蔵小杉にタワマンが乱立する理由

なぜ、水はけの悪い武蔵小杉にタワマンが乱立しているのでしょうか?

歴史をさかのぼってみます。

昔は田園地帯だった

田んぼの風景

水はけが悪いので、水田として利用する方がいいと考えられていたんです。

STEP
1

1927年に南部鉄道が開通

鉄道が開通した

鉄道の開通で、街が大きく変わるきっかけに。

近くに多摩川があったこともあり、工業用地として注目されるように。

STEP
2

一大工業地域へ

京浜工業地帯

大企業の工場も作られ、一大工業地域へと。

STEP
3

バブル崩壊後の不景気で工場が次々と撤退

住宅開発用の空き地

コストの低い、郊外や海外に移転する企業が増えました。

結果、空き地が大量にできたんです。

STEP
4

複数のデベロッパーが参入して、タワマンが乱立

乱立するタワーマンションの夜景

アクセスのいい駅の近くに、新たに使える土地ができたので、デベロッパーが参入。

タワマンは土地に対して、収益性が高いんです。

複数のデベロッパーが、各々で開発を始めたので、タワマンが乱立。

STEP
5

建築基準法では水害は考慮されていない

街を雷雨が襲う
サラリーマン男性

そういえば、建築基準法では水害に対する基準はないの?

結論、建築基準法では、水害はまったく考慮されてません。

建築基準法では、安全な建物を建てるための最低基準として、下記へのルールはあります。

✓地震

✓火災

水害は、家を買う側がしっかり調べなければ、安全なのかわからないわけです。

マンション購入の前にしておくべきこと

DO ITと書いたサイコロ

結論、マンション購入の前に、下記をしておくべきです。

✓ハザードマップを確認する

✓電気設備の場所を確認する

順番にみていきますね。

ハザードマップを確認する

まずは、ハザードマップを確認しておくべきです。

なぜなら、ハザードマップを見ることで、下記がわかるので。

✓浸水想定エリア

✓浸水の深さ

環境省によると、地球温暖化の影響で、今後、ますます自然災害が増える予測です。

買う側が受身なのはNGです。

下記に国土交通省のリンクを貼っておくので、必ずご確認くださいね。

>>重ねるハザードマップ

電気設備の場所を確認する

そして、電気設備の場所を確認しておくべきです。

今回、タワマン浸水の最大の問題は、電気設備が地下3階だったからです。

2020年6月に、 国土交通省、経済産業省より、建築物における電気設備の浸水対策ガイドラインが出されました。

浸水リスクを減らすために、下記の取り組みが推奨されています。

✓浸水リスクの低い場所への電気設備の設置→電気設備を上階に設置

✓対象建築物内への浸水を防止する対策→建物に水が入らないようにする

✓電気設備設置室等への浸水を防止する対策→水が受電設備まで到達しないようにする



詳しくは、下記のリンクからご覧ください。

>>建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン

まとめ

危険、危険性の警告標識

この記事をまとめます。

その街の歴史を知ることで、購入の判断材料になる情報もあるかもしれません。

また、建築基準法では、下記のルールのみで水害は考慮されていません。

✓地震

✓火災

また、マンション購入前にしておくべきことは、下記のとおり。

✓ハザードマップを確認する

✓電気設備の場所を確認する

タワマンでは、電気は生命線災害リスクはめちゃくちゃ重要です。

今回の記事が、あなたの参考になれば、うれしいです!

最後まで、お読みいただきありがとうございました!

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