悩める30代

持ち家か賃貸かどちらがいいんだろう?

ライフイベントごと頭にちらつく悩みです。

私も何度も何度もどちらがいいのか考えました。

調べれば調べるほど選べない沼に落ちていくばかり。

しかし、ある時悩む原因に気付きました。

fujina

どれを選んだらいいかわからなくなるのは「今」を視点にしているからだ!

持ち家か賃貸かを選ぶ時に一番大事にすべき点は「人生の将来設計」だったのです。

現在の状況だけでなく、未来を見据えて考えることでどちらがいいのかが明確になります。

fujina

持ち家か賃貸か。

データをもとに、住宅の質とコスト面から結論を導きましょう!

質が良いのは持ち家か賃貸か

「家」は生活の大半を過ごす重要な場所。

さらに在宅勤務の増加傾向により、住宅の質は生活に大きく関わっています。

少子高齢化や温暖化が進む現代は、住居設備へのこだわりも強くなってきました。

そこで、持ち家と賃貸は一般的にはどちらがいい環境で過ごせるのか。

環境や住み心地を比較していきます。

持ち家と賃貸の満足度を比較

持ち家と賃貸はどちらが満足度が高いのでしょうか。

国土交通省が行っている市場調査から満足度を比較します。

参考:国土交通省「平成30年度住生活総合調査結果」より

表を見ると持ち家と賃貸ではだいぶ数値が異なっています。

「まあ満足」と「満足」を合わせると持ち家は80.4%に対し、賃貸は66.5%です。

「非常に不満」と「多少不満」を合わせると持ち家は18.8%に対し賃貸は33.1%になります。

持ち家と賃貸の満足度は持ち家が高いことがわかります。

住宅の不満理由

持ち家と賃貸の満足度に大きな差が出ていますが、この差はどこから来るのでしょうか?

こちらも国土交通省の市場調査結果から見ていきましょう。

参考:国土交通省「平成30年住生活総合調査の調査結果」

あまり不満度は高くはありませんが、余裕あるストレスのない環境には住居の広さは必要になります。

不満率が高いのが「高齢者への配慮」で47.2%と約半数が不満を感じています。

高齢化がすすみ、老後の住まいの設備や安全性が求められていることがわかります。

そして、「安全性」「遮断性」「省エネ性」「防犯性」など設備に関する面で不満率が高くなっています。

以前よりも、予期せぬ天災や異常気象から、安全性や省エネ性も求められる傾向にあります。

設備が整っているのは持ち家か賃貸か?

持ち家と賃貸ではどちらが設備が整っているのか。

不満率の高かったところは持ち家と賃貸に差はあるのでしょうか?

国土交通省の「住宅市場調査」から居住の広さや設備の設置率の差を見ていきます。

住宅の広さ

参考:国土交通省の「令和元年度住宅市場動向調査」

持ち家は新築や中古、戸建とマンションで広さに差はありますが、賃貸は圧倒的に狭いものが多いようです。

賃貸では、ファミリータイプが少なく家族が増えてくると狭く感じることもあり、満足度に影響を及ぼす可能性があります。

居住の広さは、持ち家の方が余裕を持ってゆったりと過ごせると言えます。

高齢者設備

高齢者対応への配慮、バリアフリーの観点から「てすりの設置」「浴室トイレの暖房」「段差のない室内」の設置率を見ていきます。

参考:国土交通省の「令和元年度住宅市場動向調査」

高齢者対応設備をみると、新築の戸建やマンションは高齢化社会に対応できる充実した設備が整っています。

中古となると少し率は下がりますが、持ち家の場合はリフォームしたり、設備を増やしたりと自由に変えていくことができます。

一方、賃貸は設置率が少なく自由に設備を変えることができません。

老後の環境としては賃貸は整っていないと言えるでしょう。

高齢者用の賃貸もありますが、そう多くはありません。

fujina

設備が整っていない不十分な住居で窮屈に過ごす悲惨な未来が想像できてしまいます。恐ろしいですね。

省エネ、安全性、遮音性、防犯性

「二重サッシまたは複層ガラス窓の整備状況」から省エネ性、遮断性、安全性を見ていきます。

:国土交通省の「令和元年度住宅市場動向調査」

グラフを見ると、賃貸は設備が圧倒的に不十分と言えます。

新築の持ち家は約半分が十分な設備があり、時代に合わせた設備になっています。

賃貸の場合は、8.8%と非常に設置率が低く、中古マンションと比較しても約半分の設置率しかありません。

注文住宅は別ですが、希望の全てを叶えてくれる住居はなかなかありません。

持ち家の場合は、不満を感じたら設備を変え強化することができます

一方、賃貸は不備を感じても変更は自由にはできず、不満を感じたまま過ごすことになります。

賃貸は、不十分な設備がストレスとなり不満を感じる率が高くなっているのです。

一般的にみると設備や広さがしっかり備わっている持ち家の住みやすさは圧勝です

私は20代の頃は、更新ごとに引っ越しをしていました。

何度住み替えしても、遮音性や設備に満足がいかず、いつもどこかしらが不満でした。

30代になって持ち家になりましたが、防音や広さ、設備がしっかりしており、月々の支払は同じくらいの金額でかなりグレードの高い居住になりました。

私の中でも持ち家の住みやすさは圧勝です。

fujina

満足度や設備に関しては、賃貸のマイナスな面が浮き彫りになりましたが、

これがデータから立証される事実です。

持ち家と賃貸の生涯コスト

住宅設備は持ち家の圧勝でしたが、大事な資金面はどうでしょうか?

それぞれかかる費用を見ていきましょう。

必要な費用の比較してみよう

持ち家と賃貸の初期費用と継続してかかる費用には、どういう違いがあるでしょうか?

持ち家賃貸
初期費用●住宅ローンの頭金(ローン利用の場合)
●購入時の諸経費
・住宅ローン関連費
・登記費用
・印紙税
・不動産取得税
・仲介手数料など
● 敷金
● 礼金
●仲介手数料
●保証料
※転居するたびにかかる
継続してかかる費用● 住宅ローン返済額(毎月)(団信保険料含む)
● 固定資産税・都市計画税(毎年)
● 火災保険料・地震保険料(更新時5年や10年に一度)
● 建物・設備のメンテナンス費用(必要に応じて)
●修繕積立金(マンションの場合)
●駐車場代(必要に応じて)
● 家賃(毎月)
● 管理費・共益費(毎月)
● 駐車場代(毎月・自動車を保有する場合)
● 火災保険料などの保険料(1〜2年での更新が一般的)
● 更新時にかかる更新料(一般的に2年に1回)

必要な費用を見ると、持ち家の方が出費が多いように見えます。

そして、持ち家を購入する時は、手続きや書類の記入、審査などやることも多く時間もかかります。

また、持ち家は一生ものです。どういった家を購入するかの検討には時間を使います。

賃貸は、住処時の費用は少なく手続きは持ち家と比べるとスムーズで楽に行えます。

ここで気になるのはもちろん資金額です。

持ち家と賃貸のどちらが大きく費用がかかるのでしょうか?

持ち家か賃貸かを比較する時に大事な点は「人生の将来設計」を考えることです。

それぞれ生涯的にどのくらいのコストがかかるのか比較していきます。

持ち家と賃貸の生涯コスト

生涯コストを計算する場合、家族の人数や条件によって変わってきます。

今回は夫婦とこどもひとりの三人家族をモデルとします。

こどもが生まれた30歳から80歳までの50年間の持ち家と賃貸の生涯コストを比較していきます。

持ち家モデル

こどもが生まれたと同時に3LDKの一軒家を4000万で購入。

80歳までの50年を一軒家で暮らす

賃貸モデル(こどもの成長ごとに住み替え)

こどもが生まれてから10歳まで(30歳~40歳)10年間 2DK 12万

こどもが20歳まで(40歳~50歳)10年間 3LDK 15万

こどもが巣立ち二人暮らし(50歳~80歳)30年間 2LDK 13万

持ち家持ち家の合計賃貸賃貸 の合計
初期費用・頭金 400万
・購入時の諸経費(一般的に物件価格の7%)
4000万×0.07=280万
頭金400万+購入時の諸経費280万=680万
680万・敷金 家賃1ヵ月分
・礼金 家賃1ヵ月分
・仲介手数料 家賃1ヵ月分

30歳 12万×3か月分=36万
40歳 15万×3か月分=45万
50歳 13万×3か月分=39万
36万+45万+39万=120万
120万
毎月の費用
こども10歳まで
30歳~40歳
・月々のローンの支払い
住宅購入残金 3600万
金利 1.4%
支払期間 35年
団信保険含む

月々の支払金額
3600万を1.4%金利で35年支払う場合
月々 108,471円

108,471円×12ヶ月×35年=4555万7799円
およそ4556万とします


※65歳でローン支払い完結
65歳~80歳までは支払いなし

4556万
家賃 12万
12万×12ヶ月×10年=1440万


7920万
毎月の費用
こども20歳まで
40歳~50歳
家賃 15万
15万×12ヶ月×10年=1800万
毎月の費用
50歳~80歳まで
こどもが巣立って夫婦二人暮らし
家賃 13万
13万×12ヶ月×30年=4680万
それ以外の居住費・予想される修繕費
一般的には600万~800万とされています
ここでは800万とします
800万・更新料 2年ごと
30歳から40歳 
12万×4回=48万
40歳から50歳
15万×4回=60万
50歳から80歳
13万×15回=195万
303万
保険・火災保険
・地震保険
合計 年/3万程度
年3万×50年
150万・火災保険
年/1万程度
年1万×50年
50万
税金・固定資産税 年間 7万円(年間)
7万×50年=350万
・都市計画税(エリアによって)
4万2,000円(年間)

4万2,000×50年=210万

固定資産税5350万+都市計画税210万=560万
(50年分)
560万なし
税金控除・住宅ローン控除
住宅ローンを組んでいる場合に受けられる税金控除
(お金が戻ってくる)
▲366万
▲366万なし
50年分の生涯コスト初期費用680万+ローン35年分4556万+修繕費800万+保険150万+税金560万-住宅ローン控除366万6330万初期費用120万+家賃50年分7920万+更新料303万+保険料50万8393万

50年間の生涯コストを見てみると、賃貸が8393万に対し、持ち家が6336万です。

なんと2057万分持ち家が得という結果になりました!

大きな金額の差が出ています。

賃貸は初期費用など一度に出ていく金額が大きくはありません。

しかし、生涯コストでは圧倒的に損をしているのです。

なぜなら、持ち家は、ローンの支払いが終われば支払いがなくなるのに対し、賃貸は毎月家賃を払い続けなければなりません。これが大きく差が出るポイントなのです。

コスト面では、持ち家の方が得と言えます。

もちろん、今回の金額は一例でありモデルが異なればコストも変わってきます。

持ち家と賃貸のメリットとデメリット

持ち家と賃貸の満足度や生涯コストを参考にし、メリットとデメリットを比較してみましょう。

持ち家賃貸
メリット・居住設備が賃貸より充実傾向にある
・建て替えやリフォームが自由にできる
・持ち家は資産になりお金を生む
・住宅ローン中は団信保険が使えるので保険料を抑えられる
・住宅ローン控除がある
・住宅ローン完済後は住居費の負担が軽くなる
・生涯コストでは得
・ライフスタイルに合わせて住み替えが柔軟にできる
・老朽化による修理費用は大家さん持ち
・居住による税金の支払がない
・初期費用の負担が少なくすむ
デメリット・簡単に引っ越しできない
・収入が減ったとしても住居費を下げられない
・修繕費は自分で用意する
・購入時の費用負担、手続き負担が大きい
・固定資産税などの税金の負担
・売却したくても売れない場合がある

・住みにくくても自由にリフォームできない
・家賃の支払いは生きている限り続くため生涯コストが高くなる。
・高齢者向けの設備が不十分
・安全性、省エネ性、遮断性などの設備が充実していない傾向にある

持ち家と賃貸を比べてみると、賃貸はメリットもデメリットも少なく、持ち家はメリットもデメリットも多く感じます。

注目すべき点は持ち家のデメリットはメリットに変換可能なところです。

持ち家と賃貸の大きく異なる点は、賃貸は支払った金額はそのままなくなりますが、持ち家は資産となりお金を生むことができます。持ち家の欠点を利点に変換できる重要なポイントです。

転勤などで持ち家が空いてしまう場合は、賃貸に出しお金を生むことができますし、売却してまとまった金額を手にすることもできます。

費用に関することは生涯コストで考えればデメリットではありません。

売れない場合があることを避けるために、購入時に不動産のプロに相談ししっかり検討することで避けられます。

一方、賃貸のデメリットはメリットに変換するのは難しいのです。

住み替えを行うことで解消される部分はありますが、生涯コスト面は絶対に避けられません。

fujina

持ち家と賃貸はそれぞれ良し悪しがあります。

しかし、人生の将来設計の観点から見れば持ち家はメリットだらけです。

老後の持ち家と賃貸

人生の将来設計」の観点からみると、避けて通れないのが老後です。

設備の面でもコストの面でも、賃貸は老後不安があります。

賃貸の場合の老後の不安要素

  1. 高齢になった時に契約更新を断られる可能性がある。
  2. 高齢になると貸し渋りがあり、満足のいく家が借りられないこともある。
  3. 収入がなくなり家賃が払えなくなる不安。
  4. バリアフリーなどの高齢者の対応のある賃貸は少ない。

高齢化社会がすすみ、高齢者用の賃貸が増えることに期待はしたいですが、今現在は十分な準備がなく老後居住問題が目立ちます。

満足のいく居住が見つからず、防犯性や遮音性の少ない居住でストレスと不安を抱えながら老後過ごすのは苦しいです。

悲惨な未来にならないためにも今からしっかり老後に向けて準備しておくことが必要です。

自由度が高く柔軟なライフスタイルに対応できる賃貸ですが、老後の居住不安を打ち消すには、よりしっかりとした資産形成が必要になります。

持ち家は、老後はリフォームや設備補強が必要にはなりますが、住宅がない不安はありません。

老後の観点からみても持ち家は強いという結果になります。

まとめ

持ち家か賃貸かどちらがいいのか。
データから見ると、持ち家は賃貸に比べ設備が整っており、住みやすさは圧勝です。
コスト面は、賃貸は初期費用が少なくすみ、税金や保険修繕費などの諸経費がありません。
しかし、50年という生涯コストでみると持ち家が2057万も得になります。
今だけみれば、賃貸は手続きも少なく住み替えも簡単にでき自由度が高くメリットを感じます
しかし、「人生の将来設計」の観点からみれば、賃貸はコスト面で大きく損をするばかりでなく、払ったお金は全て戻ってきません。
持ち家は、生涯コストはぐっと抑えられ資産になるためお金を生むことができます

何よりも、老後に暗雲の分かれ目がやってきます。
現在でも、高齢者の賃貸問題が目立ちます。
賃貸のままでは、ストレスと不安を抱えながら過ごす悲惨な未来が見えてしまうのも事実です。
やはり、老後の観点からみても持ち家は強いと言えます。

持ち家か賃貸か。
データが表す真実は「持ち家」が圧勝
という結果になりました。

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