リーマンショックによる株価や地価の下落はよく耳にするけど、リーマンショック時でも価値の上がった資産はあるのかな?
リーマンショックで価値の下がらなかった資産ってどんな資産?
実は、リーマンショックについて調べてみると衝撃の事実がありました!
これからリーマンショックを振り返ってみましょう!
この記事では、リーマンショックを振り返って価値の上がった資産や下がらなかった資産があったのか、それはどのような資産だったのかについて書いていきます。
リーマンショックとは
リーマンショックは、2008年に起こった世界的な金融危機のことを言います。
2007年にアメリカで住宅バブルが崩壊しました。低所得者向けのサブプライムローンが不良債権化し、サブプライムローンを買い取って証券化していたリーマンブラザーズの経営が一気に悪化しました。そして、リーマンブラザーズが倒産したことにより、世界中に金融危機が拡大しました。
*サブプライムローンは、通常の審査には通らないような低所得者でも住宅ローンを組めるようにした制度のことです。住宅の価格が値上がりし続けることを前提に設定されました。
リーマンショックによる日本への影響
リーマンショックにより影響を受けた海外の投資家が米ドルを日本円に替えました。米ドルが売られると日本円は円高となり、日本の輸出産業は大打撃を受けました。
その結果、日経平均株価は大暴落し、工業製品や自動車の売り上げが急激に減りました。倒産した企業も続出しました。投資信託をしていても資産が1年間で半分にまで減ることもありました。
リーマンショックでも下がらなかった資産はある!
日本の不動産業界への打撃は?
リーマンショックにより日本の複数の不動産の開発業者が倒産に追い込まれました。当時の不動産業界では、決算書では利益が出ているにもかかわらず、実際には運転資金が不足する状態となり、いわゆる黒字倒産に陥った業者が続出しました。
それでも強かったのは不動産!
当時の東京の不動産価格は下落した一方で、その下落率は概ね10%程度に留まっていました。国土交通省が毎年発表している公示価格の動向を見ると、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)の住宅地は2008年4.3%、2009年-3.5%、2010年-4.5%となっています。
他方、日経平均株価については、リーマンショック前は12,000円台でしたが、リーマンショック後は一時6,994円まで下落しました。これはおよそ26年ぶりの最安値でした。
これらの数字を比較すると、リーマンショックによる住宅地の地価の下落率は株価に比べて低いと言えますね。 不動産の場合は簡単に売買や換金できず、流動性が低いため、リーマンショックのような一時的なショックがあっても、その影響が緩やかであると考えられます。
不動産投資が不況や暴落に強い理由とは?
不動産投資は家賃収入と不動産の売却益で収益を得ることができます。どんなに不況となっても住居は必要不可欠であり、生活するために家賃を支払う必要があります。そのため、不況や暴落があっても入居者がいる限り、一定の家賃収入を得ることができます。
また、不況になると消費者としては消費を抑えようとします。不動産を購入しようとしている人も思いとどまって賃貸物件に住み続けることを考えます。そうすると、不況時は賃貸需要が増えるため、実は不動産投資に有利になることもあります。
リーマンショック後の不動産価格はどうなった?
リーマンショック後、アベノミクスが始まったときから地価も上昇し始めました。アベノミクスの具体的な内容は、「金融対策」、「財政対策」、「民間投資の成長戦略」の3本の矢です。特に首都圏のマンションの価格が上昇しました。
その原因は、首都圏の中古マンションが売れたことにあります。リーマンショック後にデベロッパーの多くが倒産した結果、新築マンションの供給が急激しました。これにより、中古マンションが売れて値上がりすることになりました。首都圏の中古マンションはリーマンショックから1年後に価格が上昇しました。
そのため、リーマンショックにより不動産の地価が下落しても、数年後には地価が上がると言えます。
リーマンショックがあっても値上がりした日本の銘柄はある?
リーマンショック時に値上がりした銘柄とは?
リーマンショック時に値上がりした銘柄はありません。どの銘柄も値下がっています。 たとえば、全世界株式は1年4か月かけて56.2%下落し、アメリカのS&P500は1年4か月で52.6%下落しています。
しかし、その中でも下落率の小さかった企業はあります。たとえば、相鉄HDや近鉄グループHDなどの陸運業、オリエンタルランドやイオンディライトなどのサービス業、ローソンやファミリーマートHDなどの小売業です。これらの企業は下落率が30%未満に収まっていました。
リーマンショック直後に値上がりした企業とは?
リーマンショック直前の2007年の最高値に比べてリーマンショック後の2009年の最安値の方が上昇した銘柄が存在します。
たとえば、最安値日の株価を100%とした場合、ウェザーニュースやぐるなびなどは150%以上に上昇しています。インターネット関連業が強いことがわかります。また、医薬品業ではオンコセラピ・日医工・ツムラなど、小売業では三洋堂書店・トリドール・大黒天物産など、食料品業では山崎製パン・東洋水産などが100%以上に上昇しています。
リーマンショックのような株価の大暴落があっても速く回復する銘柄は存在します。株価が大暴落したときに株式を売るのではなく、回復するまで待つ忍耐が必要となります。
リーマンショック直後の企業の配当はどうなった?
まず、リーマンショック後に配当を減らした企業があります。それは、三井住友FGや三菱UFJFGなどの金融業、ホンダなどの自動車業、伊藤忠商事や三菱商事などの商社、その他化学業、物産業などです。これらの企業は景気に敏感であるため、リーマンショックの影響を受けました。
他方で、リーマンショック後に配当を増やした企業もあります。NTTやKDDIなどの通信業、保険業などです。このような企業は独占的・寡占的な事業を行っており、財政基盤があるため、リーマンショックの影響を受けても配当を増やすことができました。
財産基盤の強い企業の株主となれば、不況時や暴落時でも配当を受けることができると言えますね。
第2のリーマンショックに備えよう!
リーマンショックの影響については大体わかったけど、第2のリーマンショックが来た場合はどうすればいいのかわからないな。最近だと、2023年3月10日にシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻もニュースになったし・・・
*SVBは、金利上昇により保有する債券の含み損が拡大し、かつ、金融引き締めにより資金調達環境も悪化したことが原因となって経営破綻に陥りました。
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そうですよね、第2のリーマンショックが来たら心配なので、備える必要がありますね。では、ここまでのポイントを振り返ってみましょう。
・リーマンショックの影響で不動産業者は黒字倒産し、株価は暴落。
・不動産の地価は株価より遅く緩やかに下落し、下落率も10%程度。
・リーマンショック後に首都圏の中古マンションが売れて地価が上昇。
・不動産は不況時も安定した家賃収入あり。
・リーマンショック時に値上がりした銘柄はないが、下落率が低い銘柄はある。
・リーマンショック後にすぐに値上がりする銘柄や配当を増やした企業あり。
リーマンショックのような世界的な金融危機が起きても強い不動産や株式は一定数存在します。
不動産の場合、不況が起きても安定した家賃収入を得ることができるため、不動産投資は不況時に強いと言えます。なお、不動産投資については、地方の不動産を購入しても人口減少により入居者がいなくなる可能性が高いです。そこで、人口が集中する都心の不動産を持つことをお勧めします。
株式については、財政基盤の強い会社を選ぶと不況にも強いのでお勧めです。また、アメリカでのリーマンショックのように一部の国や地域で大暴落が起きる可能性は十分あります。そこで、分散投資をすることもお勧めします。
不動産も株式も価格が大幅に下落したからといってすぐに売却するのではなく、回復するまで待ち続ける必要があります。
この記事を書いた人
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・法科大学院を卒業
・司法試験の受験生
・経理を3年間担当
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