現在アメリカで破産法の申請をして、再び注目されている中国恒大集団

恒大集団は2021年に債務不履行を起こしており、
中国のバブルが崩壊する兆しなのではと危険視されています。

しかし、ニュースなどでは色んな専門用語が飛び交っていて、
正直なところ理解が難しいですよね。

結局どうなってるの?

そこで今回は、

  • 大手企業の恒大集団がなぜ経営危機に陥っているのか?
  • 現在の恒大集団はどのような状況なのか?
  • 世界や日本の経済の影響について

の3点をわかりやすく整理していきます!

中国恒大集団とはどんな会社?

中国恒大集団は1996年に創立した不動産開発会社です。
デベロッパーとも呼ばれ、主に企画・開発事業を行っています。

具体的には土地を手に入れる(用地取得)、最適な建物の計画を立て、
デザインなどを考える企画・開発の仕事があります。

恒大集団はデベロッパーの他にも、サッカークラブを所有したり、
ミネラルウォーターや電気自動車など様々な経営を行っています。

この大企業のリーダーを務めているのが許家印氏。
創業者でもあり、恒大集団を急速に成長させた敏腕経営者でもあります。

恒大集団の飛躍と転落。今の状況はどうなった?

恒大集団について把握したところで、続いてはなぜ恒大集団が
急成長し、現在破綻してしまったのかを見ていきましょう!

超拡大戦略で急成長

許家印氏が恒大集団を創立してから取り組んだのが、
いわゆる「超拡大戦略」!

簡単に言うと積極的にお金を借りて、そのお金で投資をしていくという
非常にリスクの高いやり方です。

具体的な手法としては、

  1. 1億元で土地を買う
  2. 購入した土地を担保にして新たに1億元の資金を借りる
  3. 資金が入ってきたのでまた1億元の土地を買う
  4. 1~3を繰り返す

これを繰り返すことで無限に土地を買い続けるというサイクルを成立させました。

結果として多くの土地を手に入れられるので、
この土地を用いてビジネスを展開できるということになります。

なぜこのようなビジネスモデルが成り立っていたのか。

その理由は「土地神話」という土地の価値が上がり続ける、
という噂が信じられていたからです。

また、マンション建設の着工前に一部を割安にして売り出す「青田売り
というやり方なども行われていました。

その結果、少ない資金でプロジェクトを進めるようになり、
会社を急速に大きくすることを可能にしました。

政府による本格的な規制で暗雲

高リスクでビジネスに成功し、大きく成長するに至った恒大集団。

このままさらに成長を続けていくかと思われた矢先に、
危険視した中国政府から規制がかかり始めます。

この状態は実態のないものにお金をかけている、まさにバブルの状態だからです。

この規制の中で恒大集団に大きな打撃を与えたのが、
三条紅線(3つのレッドライン)」。

また、総量規制によりさらに融資を制限したことで、
自由にお金を借りることができなくなる事態に!

さらに新型コロナウィルスによる追い打ちもあり、
2021年に債務超過に陥ってしまいました。

破産の兆しか?アメリカへ破産申請を申請

そして時は流れ、2023年8月。
恒大集団はニューヨークの連邦破産裁判所に対して破産法15条の適用を申請しました。

破産法15条は簡単にまとめると、恒大集団が持つ資産が
債権者に差し押さえられることから守る法律。
倒産しないための措置であるといえます。

しかし、同時に再建が上手くいっていないという意味でもあります。

また、同じ時期に大手のデベロッパー企業である「碧桂園」も
事実上デフォルトになったというニュースが入ってきました。

碧桂園の件も相まって、中国経済のバブルが崩壊するのではないか、
とより一層注目されているのです!

世界は中国不動産業界の不振をどう見ている?

碧桂園の経営危機も合わせた恒大集団の破産申請について、
世界はどのように見ているのでしょうか。

多くの人が心配しているのが、リーマンショックのような
大きな不況になるのかということだと思います。

結論としては、リーマンショック並の大不況になる可能性は低い
と考えられています。

リーマンショックの場合は、リスクの高い商品を混ぜた証券を
世界中に向けて販売したため、影響は世界中に広がりました。

しかし、今回の場合は中国の中の問題です。
どちらかといえば日本で起こったバブルに近いといえます。

ただ、中国は経済大国であり、様々な国と経済的な結びつきがあります。
そのため今後中国経済が失速していくと、影響がじわじわ出てくる可能性が考えられています。

恒大集団の経営危機で日本に影響はあるのか?

日本は経済面で中国と切り離せないほど深い結びつきがあります。

そのため今後、中国不動産業界の不況を皮切りに中国経済が失速すれば、
日本も長期的な影響を受ける可能性は低くはありません。

この状況に対して日本を含め中国と経済的な関わるのある国は、
デリスキングという方針を取ろうとしています。

デリスキングとは、中国と経済的な関わりを断つのではなく、
過度に中国へ依存している状況から脱却することです。

これは現在の中国の影響があまりにも大きいため、
関係を切ることができないことから編み出された表現になります。

今後は中国経済が持ち直すのかに加えて、日本がデリスキングを
達成することができるのかも重要になります。

まとめ

今回は恒大集団が経営危機に陥った経緯や、日本・世界への影響
について、現段階での情報をまとめました。

今回の記事のまとめ

  • 恒大集団は超拡大戦略というハイリスクな手法で急成長したが、政府による規制で経営危機に陥った。
  • リーマンショックのように世界的な不況になる可能性は低いが、リスクは0ではなく今後その影響が広がっていく可能性がある。
  • 中国経済の回復だけではなく、中国への依存からどれだけ脱出できるのかも注視する必要がある。

現状、すぐに大不況になるという可能性は低いとメディアは見ています。

しかし安心できるという状況でもないため、世界や日本が中国に対し
どのように関わっていくのかを見ていく必要があるでしょう。

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