こんにちは、今回は不動産クラウドファンディングについて解説した記事をご紹介します。
NISAなどを活用した株式への投資には慣れてきて、新しい投資法にも挑戦したいと考えている私ですが、最近、「不動産クラウドファンディング」という言葉を耳にするようになりました。
「クラウドファンディング」と聞くと、少額から気軽に投資できるのかな、と想像しますが、実際にどんな仕組みなのか?
またどのようなリスクがあるのか?
肝心の利回りは?など気になる点をまとめてみました!
これから不動産投資にも手を出してみたいと考えている方にはぜひ読んでいただきたい内容となっています。
記事を読むことで、不動産クラウドファンディングの特長やリスクについて理解できると思いますので、ぜひご覧ください。
不動産クラウドファンディングとは
まず、クラウドファンディングとは、インターネット上で多くの人々から少額の資金を集めてプロジェクトを支援する仕組みです。
身近な例でいうと、Makuake(マクアケ)が、新商品の開発にかかる費用を多くの人から集め、投資額が目標に達したら商品開発がスタートするというのがありますね。
不動産クラウドファンディングは、この不動産版といった形で、不動産の購入資金を多くの人から少しずつ集める仕組みです。
クラウドファンディングでは集まった資金で商品を作り、支援者に報酬として商品や特典を提供することが一般的ですが、不動産クラウドファンディングの場合は、その収益を投資家に分配するという形が取られます。
つまり、少額投資によって不動産の家賃収入などを得ることができるわけですね。
ただ、少額での不動産投資というと、REITなどの投資商品はすでに存在するので、違いが気になる...ということで調べてみました!
この手の投資手法は詐欺などでもよく聞くパターンのような...。もしかして怪しい?
不動産クラウドファンディングは怪しい?REITとの違いは?
不動産クラウドファンディングについて正しく理解するため、REITとの違いをまとめてみました。
- 必要な資金
最低投資金額としては、REITが数万円〜数十万円なのに対して、不動産クラウドファンディングはものによっては1万円程度〜投資ができます。
この最低投資金額の低さが「貯金感覚で気軽に投資できる」ということで人気の理由の1つになっているようです。
参入障壁が低いのはありがたいですね。 - 元本割れのリスク
投資商品である以上、元本割れのリスクは常に存在します。
しかし、不動産クラウドファンディングは、「優先劣後出資」という方式をとっている場合があります。
これは不動産投資型クラウドファンディングがファンドの運営終了後に不動産を売却する際、不動産の価格が購入時より値下がりをしていると投資家が出資する出資元本が減額になってしまう可能性があるため、その損失分を運営会社が補填するというものです。
補填の割合は運営会社によりますが、元本割れのリスクが多少軽減されるような仕組みがあることで、投資家によっては安心ですよね。 - 投資先の物件の選択
REITで投資する不動産は、REITの運用会社が選択をするため、どの物件に投資するのか、投資家は選択することができません。
一方で、不動産クラウドファンディングは自分で一軒一軒投資する不動産を選択することができます。
不動産の立地や、業態など、自分で選んで投資をすることができるので、REITと比較すると納得感のある投資になるのだなと思いました。
住宅に投資する時に、「自分が住んでみたいと思うかどうか」という観点で物件が選択できるのは嬉しいですね。
- 価格の安定性
REITは投資信託として上場しているため、株と同様に日々値動きがあります。
一方で、不動産クラウドファンディングは、物件自体に投資するため、不動産価格が大きく変わらない限りは価格変動が少ないです。
家賃収入も安定して得られることから、REITよりも価格の安定性があると言われています。
日々チャートを見て一喜一憂することもないわけです。 - 利回り
REIT(J-REIT)の利回りが約4%なのに対して、不動産クラウドファンディングの利回りは平均約5%です。
平均で見ると大きな違いはなさそうですが、不動産クラウドファンディングは自分で投資先の物件を選択することができるため、投資先によっては10%ほどの利回りも期待できるようです。
この辺りは物件選択の知識によって変わってきそうですね。
不動産クラウドファンディングのリスクは?
REITと比較してみると、メリットの多そうな不動産クラウドファンディングですが、リスクはないのでしょうか?リターンがあるということは、それ相応のリスクは必ずあるはずです。
ということで、不動産クラウドファンディングのリスクについてもまとめてみました!
- 分散投資ができない
REITが1銘柄当たり数十件の物件に投資しているのに対して、不動産クラウドファンディングは自由度がある分、1つ1つの物件を自分で選択して投資する必要があります。
1万円〜投資ができるとしても、REITと同じように数十件に分散投資しようとすると、結果的に数十万円の費用がかかってしまいます。
物件選択の知識もそれなりに必要ですし、ちょっと大変そうだなという印象です。 - 税務上の不利
不動産クラウドファンディングで得た収益は雑所得にあたるため、投資信託などと比較すると税制上不利になります。
具体的には、損失の繰越控除や損益通算ができない、累進課税が適用される、年間の収益が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
REITのように源泉徴収ができないですし、累進課税なので収益が大きければ税率も上がってしまいます。
「任意組合型」という契約の方式では、物件の所有権を得ることができるので、雑所得ではなく不動産所得として認められています。
ただし、最低投資額が100万円〜になるので、一気に投資のハードルが上がってしまいます。。 - 不動産の価値が下落する
クラウドファンディングで出資者に家賃収入を分配しますが、家賃収入だけで利回り5%を維持しつつ、運営会社の利益も確保するのは難しいです。
そのため、収益には不動産の売却による収益も計算に入っていると考えています。
その場合、現在と比較して物件の価値が上がっている分には成立しますが、物件の価値が下がってしまうと、売却損が出てしまいます。
「優先劣後出資」という仕組みがあることは紹介しましたが、補填分よりも価格が下落してしまったら、分配する収益も無くなってしまいます。これはショックです。
最近は不動産価格は上昇していますが、長期的にこの傾向が続くとは限らないため注意が必要です。 - 途中解約に費用がかかる
REITは株式と同様に、即時売却ができますが、不動産クラウドファンディングは途中解約に費用が発生する場合があります。
投資期間は短いものだと3ヶ月程度ではありますが、売りたい時にすぐ売れないのはリスクの1つですね。 - 運営会社の倒産リスク
不動産クラウドファンディング事業者が倒産してしまうと、出資金はすべて無駄になってしまいます。
不動産クラウドファンディングの会社は、必ずしもREITの運営会社のように株式会社として上場しているわけではありません。
不動産特定共同事業法という法律により、許可された業者ではあるのですが、許可を得るための要件は株式会社と比べて圧倒的にハードルが低いです。
実際に、不動産特定共同事業法がクラウドファンディングに対応してから、案件数はうなぎ上りになっています。多くの業者が参入しているのでしょう。
法律に則って運営されているから安心、というわけではなさそうです。
- ネットで得られる情報に偏りがある
ネットで不動産クラウドファンディングを検索すると、「手軽、高利回り」というポジティブなワードが目立ちます。
本来、高利回りにはそれ相応のリスクが必要な訳ですから、これらの言葉を鵜呑みにしてはいけません。
こういったサイトはアフィリエイト目的でしょうから、きちんと投資の本質を見極める必要があります。
まとめ
不動産クラウドファンディングは、複数の投資家が出資することで、不動産投資を行う方法です。
不動産投資信託(REIT)との違いは、REITは証券化された株式を購入するのに対し、不動産クラウドファンディングは実際の不動産物件に出資する点にあります。
不動産クラウドファンディングのメリットは、最低1万円からの少額投資ができること、投資する物件を自分で選択することができること、値下がり時に優先劣後出資という救済措置があること、投資信託と比較すると値動きが少ないことです。
一方で、デメリットとしては、分散投資ができない、税務上の不利、不動産の価値が下落する、途中解約に費用がかかる、運営会社の倒産リスク、ネットで得られる情報に偏りがあるなどのが挙げられます。
不動産クラウドファンディングは、手軽に参加できることが魅力的ですが、手軽で高利回りといった言葉を鵜呑みにしてはいけません。
個人的には、いつ倒産して出資金が無駄になるか分からないものに投資をする気にはなれません。
不動産の物件を購入するのであれば、信頼のおける業者から「所有権」を持てる現物の不動産を購入する方がよさそうです。
また現物不動産を買うまとまった資金がない場合は、REIT(投資信託)から始めることをおすすめします。
この記事を読んで不動産クラウドファンディングのリスクについて知って頂けたら幸いです。
甘い言葉に釣られずに、しっかりと本質を見極めて投資をしよう!
この記事を書いた人
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・31歳男性
・大手メーカー勤務
・資産運用歴:5年
・FP3級
・趣味:ギター、美味しいお店巡り、サウナ
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